モデルベース開発におけるハイブリッドシステム

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モデルベース開発におけるハイブリッドシステム

この話題のタイトルは単に”ハイブリッドシステム”にしようと思ったのですが、ハイブリッドカーの方のハイブリッドシステムをイメージする人が多そうなのでこうしたタイトルにしました。

ハイブリッドシステムとは

自動車を例にすると、自動車の駆動ということに対してエンジンとモータの異種のものを組み合わせて一つの事を成し遂げるとかそういう意味でいいと思います。

モデルベース開発というか、モデリングにおけるハイブリッドシステムというのは、
連続的なものと離散的なもので構成されたシステム(系)
という意味です。

ハイブリッドシステムの例

落下するボール

落下するボールというの連続的ですよね?
けど、無限にいつまでも落下しているわけでなく普通は壁や地面にあたって跳ね返ります。
この時はボールの運動は、壁や地面にあたった瞬間に速度の方向が逆になります。
そうすると、壁に当たる前と後とで運動方程式がが切り替わってしまうハイブリッドシステムです。

自動車のクラッチシステム

自動車のクラッチは、クラッチがオープンの時、滑りながらトルクを伝えるとき、滑らずにトルクを伝えるときで運動方程式が異なります。そしてそれは条件式で与えられ、条件をそれぞれ満足したときに切り替えられます。
と、いうハイブリッドシステムです。

こういったものがハイブリッドシステムです。つまりシステムがハイブリッドなわけでしてものすごく広い意味では非線形系ですが、上記の場合は線形系を単純に切り替えただけのシステムです。

制御にもあるハイブリッド

制御の世界にもハイブリッド制御というのがあります。
突然言われると難しいとは思いますが、例えばロボットアームで滑らかな壁をふく場合は考えると制御問題としてはロボットアームで雑巾を押し付ければOKです。(どうやって解くかは知りませんが・・・)
その問題を単純に壁でなく、ガラス窓にした場合どうでしょうか?とうぜん割れないようにしなければなりません。
ですから、ロボットアームとしてはガラス面を移動させる位置制御とガラスを割らないようにロボットアームを押し付ける力制御が必要となります。
この場合は位置制御と力制御のハイブリッド制御と言います。

自動車の制御では・・・

自動車エンジンの制御って言うのは常にものすごい短時間に複雑なことをやっています。エンジンの点火だとかの制御を考えると効率よく燃料噴射する制御を実施するのですが、法律的にも排ガスのスペックがあります。その排ガスを基準値を超えないようにする排ガス制御っていうのをエンジンを回すのと同時に実施しないといけません。この場合はハイブリッド制御になります。
実際はどうやってるのか詳しく知りませんが、単純に排ガスと燃料噴射などに関するマップで妥協点見つけてエンジンの制御だけやってるのかも知れませんので、この場合ハイブリッド制御と言えるかどうか悩ましいのですが・・・

制御の世界でいうハイブリッド制御とシステムの世界でいうハイブリッドシステムは性質がことなりますが、異種のものを組み合わせるという意味ではハイブリッドです。

この場合はハイブリッド?

例えば自動車エンジンのモデリングについて考えてみます。
詳細に自動車エンジンを考えると空気の流れ、燃料の燃焼、機械的なトルクなど3つのそれぞれ異種の項目を考えなければなりません。
この場合に”ハイブリッドシステムっていうの?”ってことですが、たぶん間違ってはいないと思いますが、それぞれが重なり合って一つの物事を実施するわけではないので空気の流れ、燃料の燃焼、機械的なトルクの混合をハイブリッドシステムとは呼びません。
エンジンというものが空気の流れ、燃料の燃焼、機械的なトルクで構成されるので流体、熱、化学、機械の”混合領域”ということで”マルチドメインシステム”というらしいです。

面白いですね。

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