問題の眺め方

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問題の眺め方

モデルベース開発に入る前段階で、対象となるシステムのとらえ方の話をします。

4つの眺め方

こうした数値シミュレーションとかデジタルシミュレーションとか言われるものの問題の眺め方って4つあると思っています。学生時代に恩師から教わったんですが、これがモデルベース開発以前のシステムの解析で非常に役に立ってます。

  • 数値的?解析的?
  • 定性的?定量的?
  • 確率的?確定的?
  • あり?なし?

この4つです。
何回かに分けて紹介したいと思いますが、この4つのうちどういったアプローチでシステムをとらえ方で何をどうしたいか方策が見えてくることが結構あります。
ただ、この4つ以外にも”線形?非線形?”、”集中系?分布系?”などいろいろありますが、分かりにくいのは上の4つかなと思っています。

何をどういうレベルで

システムを解析したり、制御設計するときに重要となってくるのが、まず第一に”何をどういうレベルで”という事になってきます。簡単ですぐ答えが出るものであればさほど気にしなくてもよいのですが自動車の様な複雑なものであれば”何をどういうレベルで”という問題の与え方や解き方は大切になってきます。
それによって答えの導き方が大きく変わってくるからです。

大ざっぱな例ですが

例:自動車の燃費

”自動車の燃費を実走行で求める”
”自動車のモード燃費をテストベンチで求める”
”自動車のモード燃費をMILシミュレーションのレベルで求める”
”自動車のモード燃費をSILシミュレーションのレベルで求める”

例:サスペンション

”サスペンションの固有振動数を実験で求める”
”サスペンションの特性を実走行で感応評価する”
”サスペンションの固有振動数を集中系として解析解を求める”※1
”サスペンションの固有振動数をマルチボディで解析解を求める”
”サスペンションの固有振動数を分布系として解析解を求める”※2
”サスペンションの応答を数値解で求める”※1

こんな感じです。モデルベース開発を取り組むときに知っておかべきことですね。ここでいうモデルベース開発は制御系の開発なんでMATLAB/Simulinkを使うという前提です。
ですから得意とするのは、サスペンションで言えば※1の項目は得意とします。

一方コンピュータシミュレーションというくくりで同じようにみなされてしまうのが※2の項目です。一般的にはFEMでNASTRANとかで図面からモデル起こして解析するのでMATLAB/Simulinkでは向かない分野となります。マルチボディに関してはいろいろアプローチの仕方あると思いますがかなり面倒なので、依頼者の要求解析をしてどの程度のマルチボディかによって、出てくる答えや使うツールも異なってきます。

根本的に”できる”、”できない”という問題が発生することもよくあります。もしかすると極端な話では”サスペンションの解析”と漠然な依頼であれば”ばねの応力解析”を必要としたり”サスペンションのコストを調べる”なんてこともあります。

ですから”何をどういうレベルで”ということが重要になってきます。
それによって、どういった問題の眺め方によるアプローチが必要になるか変わってきます。

慣れないと理解できないかもしれませんが、なれるとすごくスッキリしますよ。
また次回以降紹介しますね。

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