マツダのモデルベース開発

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マツダのモデルベース開発

以前某所でちょっと話題になったのですが
自動車メーカーのマツダのモデルベース開発の取り組みです。
ちょっと考えてみました。

Mazda SKY-G in Tokyo Motor Show 2009

よく自動車関連の講演会を聴講しに行くとマツダの
モデルベース開発が話題になったりします。

会社の規模的には大きくないものの、モデルベース開発の取り組みがすごい

ということです。

自動車メーカー各社、モデルベース開発に対する取り組みはそれぞれ異なると思いますが、例えばトランスミッションの場合販売台数とコストの関係で多くのメーカーがトランスミッションメーカーから購入しています。
その場合多くのメーカーが、トランスミッションメーカーにトランスミッション本体と制御も要求仕様を出して購入していると思います。
ところがマツダに関しては、購入トランスミッションに対しても制御の部分は自社開発を続けているという話。

そうした自社開発がルマン24時間耐久レースや今話題のスカイアクティブ技術に活かされているのだということです。
例えば現行のDEMIOに関して言えばスカイアクティブ車はCVTが搭載されていますが、それが出る前からの通常の車両は小型車では今となっては珍しい4AT車です。

発売された当時ではクラス最高(?)に近い燃費を誇ってすごいなと思っていました。当時だとホンダのFITがCVTで同等の燃費だったのでそれをエンジンが新型でも4ATで実現するには、よほどの事なので話題になった記憶があります。

マツダの歴史

モデルベース開発というのは今ではMATLAB/Simulink使って制御開発するのことが普通になっていますが。これはすごく狭い意味であった、広い意味でいえばCAEでコンピュータシミュレーションを使ってものを作る前に見通しを立てる。

そういう広義の解釈では、強度解析や簡単な動力性能シミュレーション使った開発も”モデルベース開発”になります。マツダでは広義の解釈でモデルベースは1980年代から始めているらしいです。
特に、現パワートレインシステム開発部の部長、原田氏がスポーツカー「RX7」で発生する、加速時の振動を抑える点火アクティブ制御を、モデルベース開発で取り組み通常よりも驚くほど短期間で開発した逸話があり。それがのちのルマン24時間耐久レースの総合優勝につながったということ。
マイナビニュース

それが今でも脈々と受け継がれている会社です。自動車メーカーほどの規模になると今までの資産があるので、それを時代が変わりつつあっても、どうしてもリスクを考えると新しい手法はなかなか好まれませんが、それを許した環境も恐れ入ります。
特に安全に関するものは、今まで不具合のなかったものをあえて違う方法で設計したり、図面を新図起こすことには抵抗があるものです。

当時、モデルをどのように構築したかまでは文献からはわかりませんが、時代的にはC言語ではなかろうかと、それとPCは16ビットの時代なのでEWSか計算サーバつかったのかもわかりませんね。
少なくとも~1990年代前半は工学計算は大学の場合は90年に入るとEWS使うこともありましたが、当時は計算機センターなどの大型計算機で計算するのが主流だったと思います。

そういう中で積極的にモデルベース開発を推進し、さらに今でもより一層推し進めていこうという方向性の様です。

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