モデルベース開発の展望

この記事は2分で読めます


モデルベース開発の展望

モデルベース開発は今後の展開としてどうなるんでしょうか?
具体的な資料は手元にないんですがちょっと予測してみます。

従来のモデルベース開発

モデルベース開発という事が言われてから10年は経過したと思います。
今でも当時でもモデルベース開発という言葉と並行して

”モデルベース設計”

と言われていました。

理由は二つあって
一つはMBDと表記された時に、その訳がモデルベース設計(ModelBaseDesign)
としていた人がいたことと思います。
もう一つは、当時の開発環境では殆どが設計時にMBDを使うから
モデルベース開発=モデルベース設計
が成り立っていたことがあると思います。

ここ数年はモデルベーステスト、モデルベースベリフィケーションとか
シミュレーションモデル使った手法なら

とりあえず何でも”モデルベース”つけとけ

みたいな風潮があります。

MATLAB EXPOでの話題

昨年MATLAB EXPOに行きましたがモデルベース開発が
どこまで進んでいるかというと、某自動車メーカーでは
製造工程の開発、シミュレーションにもMBDを取り入れてるという事です。

それは、プロセス制御とかパラメータチューニングでは便利そうです。
一つの工作機械については、例えば位置決め制御など今でもMBDによる開発って
行われているかと思いますが、それがライン単位で考える時代になるかもしれません。

将来的なモデルベース開発の(勝手な)展望を紹介します。
・製造工程1
・製造工程2
・ITS
とりあえずこの3点です。

製造工程で使えそうなMBD(溶接ロボット1)
製造工程でよく自動車のボディが何台もの溶接ロボットで溶接されている
映像ご覧になったことがあると思います。

もし、同時に何台もの溶接ロボットが溶接をすると
瞬間的にかなりの電流を使うため、電流容量を必要とします。

そのタイミングを1台ずつ、ずらす制御ができたらどうでしょうか?
省エネにもつながりそうです。

ちなみに、会社によっては昔から、溶接のタイミングをずらす
機器の導入はしています。

製造工程で使えそうなMBD(溶接ロボット2)
溶接ロボットの例です。
具体的に今実現されているかもしれませんが・・・

最短経路問題

って、やつです。
ワークや他の治具、溶接ロボットに干渉せず、
かつ、ロボットアームのパスを最短経路で稼働できたらどうでしょうか?

生産性が向上する上、普通は生産コストが下がります。

ITS(信号タイミング、自動車群制御)

交通のモデルを作って、実際ありがちな交通モデルを作ります。
そうすると、自動車の交通量、あるは時間帯によって最適な
信号機のタイミングを制御できそうです。

実際研究がなされているかと思います。
たまにTVで見るのは公共の乗り物である”路線バス”です。

この路線バスをなるべく赤信号で止まるロスを減らす取り組みとして
バスの位置情報と交通量によって信号のタイミングをずらす実験が
なされてるってやつです。

それを、自動車群として扱ってうまくいけば渋滞緩和も可能です。

今現在はオートクルーズとしては前の車両と一定の車間を保って
走行することは可能です。

ですが、車々間通信など使ってさらに前の車両の状態を使うことができれば
ブレーキ踏むことによる渋滞の緩和も可能になりそうです。

これを、実車でやるのはなかなか難しいと思いますので
自動車群のモデルをうまく作りこめばこうしたITS分野でのMBDも進みそうです。

連成解析

先ほどは、こうできたら都合がいいなという事を書いていましたが、
例えば連続体や機構などのモデルをMATLABとSimulinkで作るのはハードル高すぎです。

MATLAB/Simulinkが得意とする分野は主に質点力学で、人間の手作業で比較的運動方程式を
表現できるものです。
FEMや機構解析のモデルを手作業というのは難しいのでMATLAB/Simulinkによるモデル化は向きません。

ですが、昔からある技術ですが連成解析と言って大ざっぱに言えば
他の解析ソフトと連携させる手法で、機構モデルを他で作ってSimulinkに引き渡して
Simulinkで作った制御モデルを組み込んで制御するってことが可能です。

これがよりシームレスになればモデルベース開発はもっと進展するんじゃないかと思っています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 2014 02.24

    MBDの歴史

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。